皆さんこんにちは!協会スタッフの小林(紗)です。
日中暖かく、朝晩は冷え込む日が続いていますが体調など崩さないよう気を付けていきたいですね!
さて、今回は羽毛の品質が世界でもトップレベルのポーランドが出している
【ホワイト・コウダ種】とはどういったものなのかをお伝えしようと思います。
羽毛の原産国であるポーランドでは国を挙げてグースの畜産と管理に力を入れていて、
純ポーランド産として出荷されている羽毛は全体の約95%が
「ホワイト・コウダ種」となっています。
つまり、日本に輸入される純ポーランド産の羽毛はほとんどがこの「ホワイト・コウダ種」です。
この「ホワイト・コウダ種」は羽毛ふとんに使われている羽毛のなかでも
特に高品質の羽毛と呼ばれる品種で、羽毛の価格は業界最高値で取引されています。
羽毛は天産物ですので必ずしも毎年高品質の羽毛が採れるわけではないですが、
ポーランドでは安定して高品質の羽毛を採ることができる技術があるからです。
その理由の一つは、ポーランドでは国家事業として品種改良が行われていることです。
国立畜産研究所は、グースの専門部門として【コウダ・ヴィエルカ研究所】を設立し、
品種改良と飼育技術の研究を行った結果、雌1羽あたり平均12羽のヒナだったのが、
平均50羽以上までに繁殖能力を高めることに成功し、
天然繊維であるグースに安定した高品質を生み出しました。それが“ホワイト・コウダ種”です。
そして「ホワイト・コウダ」は独立したグースの種と認定され、
2001年には商標登録もされています。
コウダ・ヴィエルカ研究所での品種改良から約50年、DNA鑑定も容易なほど純血化を進め、
世界的に評価の高い肉や羽毛の品質をさらに向上させるための種鳥の数を絞ることで
全国のグース供給過剰を防止するなど、
ポーランド全国のグースの品質・数量をコントロールしています。
ポーランドではグースの品種改良を進める研究者たちを政府がバックアップすることで
厳選された高品質な肉と羽毛を供給することができるのです。
以上のようにホワイト・コウダは、ポーランドが国を挙げて改良やストレスの無い環境作りの研究、
また独自の管理システムなどを長年続けてきたから誕生した品種です。
安定して高品質な羽毛を採取するためにはこういった環境づくりが一番大切なこととなります!
ちなみに、「ポーランド産シルバーグース」のふとんを見かけることがありますが、
ポーランドではシルバーグースはペットとして個人で飼っているところがほとんどで、
商業的な飼育は行っていません。では、たまに見かけるふとんは、一体………?
協会スタッフ 小林 紗也佳