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原産国偽装についての私の考え

皆さんこんにちは。会長の清水です。

5月7日の朝日新聞の朝刊の“羽毛布団 産地偽装横行か”の記事に関して、

小生が心配していたことが現実になりました。

 

以前から当協会の講習会や勉強会でもこのような現状を詳しくお話ししてきましたが、

それがとうとう現実となり、報道各局で話題に取り上げられお客様の羽毛ふとんに対する信用が

失われかねない状況になりつつあり、

このままでは一時的な羽毛ふとん離れが起きるかも知れません。

まず、はっきりと言いますが羽毛を偽装したという立証はできません。

何故なら、羽毛を採取する水鳥はヨーロッパ種の水鳥が中国へ行き、そこで繁殖しているからです。

この問題が報道され、小林代表理事もテレビの取材等に出演し偽装については、

「偽装とは断定はできない。かもしれないとしか言えない。」と話していますが、

これは“羽毛は世界を飛んでいる”からです。

 

しかし、羽毛以上に暖かいものは存在しません。すなわち羽毛に代わる充填物は有りません。

お客様が暖かく、快適な睡眠を求めている限り羽毛ふとんの需要は無くなることはないと思います。

ですので、羽毛ふとんの需要は今後ともに継続しますので、自信を持って販売して下さい。

 

羽毛ふとんの良し悪しは、まず1番目に品質です。この品質で羽毛の良し悪しの大半が決まります。

そして2番目がその品質に見合う価格、最後の3番目が原産国です。

どうもこれまで日本では1番目に原産国がきて、2番目に価格がきてしまい、

この2点で良し悪しを決めてしまっていて、

品質に関してはあまり重視されてこなかったように思えます。

昨年のIDFLのリバー社長を招いての講習会でも、欧州産でもピンからキリまで有るので、

【欧州産の羽毛=高品質】で、【中国産の羽毛=粗悪】ということではありません。

欧州産の羽毛にも品質の良くないものもありますし、

逆に中国産の羽毛も欧州産の品質と劣らないほどの高品質のものがちゃんとあります。

ですので、【原産国】にあまりとらわれすぎずに【品質】を見極めることが重要です。

 

会員の皆さまには講習会などで何度もお伝えしているように、

羽毛ふとんを見極めるには『押して、叩いて、嗅いで、見る』

これが一番シンプルで分かりやすいチェック方法です。

まず、①ふとんを上から手で押してつぶし、

手を放してみてどれくらい元のふんわりとした形に戻るかを確かめます。

次に②ふとんを叩いて、生地からホコリが出ていないかを確かめます。

そして、③ふとんを嗅いでみて、鶏小屋ような臭いがしないかを確かめます。

最後に④ふとんから羽毛が吹き出ていないか、縫い目は綺麗に仕上がっているかを見て確認します。

この4点をお店はまず商品を店頭へ並べる前に一度確認し、

そして、再度お客様の目の前でも一緒に確認してください。

羽毛の品質までは偽ることはできません。

服を買う時にサイズ感や、自分に似合うかどうか確かめるために私たちは試着します。

ふとんも試着するのと同じように実際に触って確認してみてください。

 

近江商法では有りませんが、”売り手良し、買い手よし、世間良し”の三方良し

を忘れず、お客様の立場に立った商売を続けて行けば必ず信頼が得られます。

 

会長 清水 守